かけはし重要記事

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                          かけはし2001.4.23号より

乱脈な公共事業のための土地収用法改悪を許すな

各地の住民運動を軸に討論集会

 四月七日、東京・渋谷勤労福祉会館で「土地収用法改正から公共事業を考える討論集会」が行われ、百人の参加者があった。この集会は、政府や行政による環境破壊、住民無視、資本とゼネコンのための公共事業の推進に反対している日の出の森・トラスト運動、首都圏道路問題連絡会、公害地球環境問題懇談会の主催、土地収用法から公共事業を見直すネットワークの協力によって準備してきた。主催者は、土地収用法の改悪のねらいを暴きだし、改悪阻止ととも各地の住民運動の経験からその実態に迫り、公共事業の全面的見直しを求め、ネットワークを強化していくものとして開かれた。

一坪共有地運動の圧殺をねらう

 政府は、トラスト運動や一坪共有地運動を圧殺し土地強奪をやりやすくするための土地収用法の改悪法案を三月二日に閣議決定し、五月連休開けに国会上程、衆院国土交通委員会で審議、強行採決し、参院へという強行スケジュールを組んでいる。この日の集会に参加した諸団体は、すでに土地収用法改悪反対にむけたキャンペーン、国会議員ロビー活動、マスコミ対策などを精力的に展開している。改悪阻止・廃案へ! 環境と住民生活を破壊する公共事業の全面的見直しを求めてともに闘っていこう。

暴走する公共事業の統制こそ必要だ

 集会は最初に、青山貞一さん(環境総合研究所所長)から「土地収用法改正から公共事業のあり方を問う」というテーマで基調講演を受けた。
 青山さんは、公共事業をとりまく財政システム、政策形成過程、行政手続きなどの課題に触れながら、とりわけ行政計画の意志決定過程の硬直性(後戻りができないことや代案の分析がしずらいこと、不充分なこと)を指摘した。
 さらに、「公共事業の社会経済的な必要性、環境や安全などの科学的な妥当性、広義の意味での関係者の人権をめぐる正当性を事業者以外の第三者がほとんど問うことができない状態が続いている。本来、行政のこのような暴走をコントロールできないなかで土地収用の手続きの簡素化、合理化することが今回の土地収用法改悪のねらいだ」と批判した。そして、「早期の段階で情報公開と住民の参加のもとで事業の必要性、妥当性を議論し、適正な手続きのもと社会的、地域的な合意がとられることこそが本題だ」と強調した。

日の出の森、圈央道、川野辺ダム

 次に各地の住民団体からの報告コーナーでは、次の三団体が発言した。
 日の出の森・トラスト運動は、「『トラスト運動共有地』は、住民の訴えを全く無視して、単に『ゴミが街にあふれる』との理由だけで強制収用されたが、公益性の判断を誤ればたとえ収用適確事業であっても、公共の利益にならないどころか、環境破壊・汚水の垂れ流しなど大惨事を引き起こしかねない。事業の公益性を判断する『事業認定機関』は現行のような『お手盛り』の方式ではなく、第三者的な行政機関であるべきだ」と訴えた。
 首都圏中央連絡道建設反対運動から、牛沼土地収用反対裁判原告団を支える会は、環境破壊・住民の健康破壊をもたらす圏央道建設を強行し続ける国土交通省を厳しく批判し、「改悪法案は、公共事業の見直しが叫ばれる今、時代錯誤の法案と言える。都収用委員会事務局は、公開審理の場で土地の値段・面積等の審理のみを行おうと画策している。私たちは説明会も公聴会されずに認定された収用そのものを問題として、民主的手続きを求めて、それを実現させるまで闘うつもりだ」と力強く表明した。
 熊本県川野辺ダム建設反対運動に連帯する「子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る東京の会」は、「昨年九月、建設省は土地収用法にかかわる事業認定を申請し、強制収用をちらつかせてきた。さらにダム建設にともなって漁業に影響が出る球磨川漁協に対して膨大な補償金によって受け入れ派をからめとり、強引に計画を進めている。しかし、二月総代会を開催し、ダム建設に伴う漁業補償を拒否した。反対派は根強く闘っている」と述べ、さらに事業認定の取り消しを求める裁判闘争の開始について報告した。
 続いて主催者は、今回の改悪法案に対する全面的な批判と対案を提起した。また、改悪法案をめぐる国会状況、マスコミ対策などを報告した。
 集会では、各地で取り組まれている運動紹介や改悪法案の反対運動に向けた提案などが行われ、最後に「改悪法案の成立阻止、公共事業の全面的見直しを求める」アピールを参加者全体で採択した。  (Y) 


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